施術部の伊藤です。いつもスタッフブログを読んでいただき、ありがとうございます。
昨日、施設に入所しているHさんの施術に行った時のことです。
ひめさゆりでは毎月ニュースレターを発行し、個人の患者さんや施設入所の患者さんにお届けしています。Hさんにも毎月ニュースレターをお届けしているのですが、今まではHさんからニュースレターの話題が出ることはありませんでした。
今回のトップ記事は「施術者誘導研修を実施」という記事で、ドライバーの田村さんと達っちゃんが、全盲の私を誘導する研修での体験や気づいたことなどが記載されています。
施術をしながら話をしていると、Hさんが突然思い出したように興奮して話し出しました。
「目が見えなくて食事するとか歩くのは大変だね!その身にならないと分からないよね。私は脚が悪いだけで見えてるんだし、一人では出来ないけど歩けてるんだから、先生は大変だよね…。先生がマッサージしてくれるのは大変なんだから有り難いね。」と、話してくださいました。まさかそんなことを言っていただけると思ってもいなかったので、大変な驚きと同時に、Hさんの優しさに胸がじわ~っとなって感動しました。
Hさんは24年前にくも膜下出血で歩行が困難になり歩行器を利用しながら日常生活を送っています。車椅子にはなりたくないからという思いで、マッサージと機能訓練を頑張っています。現在は90代になっていますが、その努力は本当に尊敬です。
麻痺がある脚に関節拘縮があり、痛みもあって思うように歩けない辛さがあるのに、私のことをそんなふうに思ってくださる温かさ。これこそが慈愛だと思いました。そして、「寄り沿い」の本質を教えていただきました。感謝が溢れます。こうして書いていても胸がじわ~っとなります。Hさんのような「寄り沿い」が出来る人間になりたいと思いました。そして改めて、皆さんのためにより高みを目指して施術スキルと心を磨いていくと決めました。Hさん、本当にありがとうございます。
これからも、人生の恩師である、ご縁ある患者さんたちに恩返しをしていきます。
大切な時間を使い、最後まで読んでくださる皆さん、いつも本当にありがとうございます。