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久方ぶりに訪問した施設で感動したことがありました。その施設は、新型コロナウイルス流行第6波が襲来したことを受け、その感染対策として、外部サービス受け入れを休止していました。約1ヵ月半出入りができなかったので、担当利用者さんの体の状態がとても心配で仕方ありませんでした。
3月から出入り制限が解除されたことを受け、久しぶりに利用者さんの顔を見ることができ、心から嬉しい気持ちになりました。その中でも、Kさん反応が物凄く感動しました。
扉をノックして部屋に入っていくと、誰が来たのかしらという雰囲気で、こちら側へ車いすをクルンと回転させるKさん。僕の顔を見た瞬間、「うわぁぁぁぁぁ、せんせ~い! 来てくれたの?もうしばらくお見えになっていないから、いったいどうかしたのかと心配していたのよ。どこか体の具合でも悪かったの? 嬉しいわぁ、最高に嬉しい!」と、目をキラキラと輝かせながら、飛び切りの笑顔を見せてくれました。
続けてKさんは、「私とても悩んでいたの。もうやめようと思ったの。」と言う。
僕が「何をやめようと思ったの?」と尋ねると、Kさんは「施設をやめようとしたの。だってね、突然先生が来なくなるし、しばらくお顔も見せないから、先生はもう辞めたのかと思って、先生が来ないなら私も、もうこの施設にいる必要は無いわねって思っちゃって、家族とも話をしようと思っていたのよねぇ・・・。」
僕は、「なるほど、それはそれは悩ませてしまって、本当にごめんなさい。でも、また今月からKさんのマッサージに来られるようになったので、安心してください。」と伝えると、Kさんは「うわぁ、それは良かった。これでやめなくて済むわ。先生、懲りずにこれからも来てくださいね。いつも待っておりますから。」と、涙を浮かべながら喜んでくださり、その想いがこちらにビンビン伝わってくるのを感じました。
心底喜んでいるKさんの姿を見て、僕も心から感動を覚えました。
それからは、堰を切ったかのように、ずーっと喋りっぱなしのKさん。本当に寂しい思いをしていたのだと思い、じっくりとお話を聴かせていただきました。ひとしきり話し終わると、Kさんは心から満足したようで、「いやぁ、今日は先生とこんなに話せて、本当に嬉しかった。うんうん、満足満足。ありがとう、また次回も待っておりますので、どうぞお気をつけていらしてください。」と、丁寧にお辞儀をしてくださり、その姿にもまた感動してしまいました。1ヵ月半ぶりの施術が終わり、僕は心地よい感動と清々しさで、胸がいっぱいになるのを感じながら施設を後にしました。
こうして、Kさんのように、多くの利用者さんが心待ちにしてくださっていることを心に深く噛みしめながら、これからも真心で施術に努めていこうと思いました。ひなまつりという特別な日に、Kさん、本当にありがとうございました。