施術部の伊藤です。いつもスタッフブログをお読みいただきありがとうございます。
私が担当させていただいている患者さんで、独居生活をされている90代のTさんがいます。昨年末ぐらいから認知症の症状で、日にちや曜日が分からなくなる『見当識障害』の症状が顕著に現れるようになってきました。Tさん自身も「何かがおかしい…。」という不安を感じている様子が、会話や態度から伝わってきます。
最近では、「今日は何曜日ですか?」と聞いてきたり、「今日は〇〇日ですか?」と、違う日にちを聞いてきたり、ついさっき確認したばかりの日にちや曜日が分からなくなり、また同じ質問をしてくるということが増えています。
訪問の時、ガスコンロの警告音が鳴っていたり、見当識障害の症状が強い時など、気になることがあった時は、すぐにTさんの担当ケアマネさんにも状況を共有しています。横の繋がりや見守りにも努めているのですが、認知症の進行を何とかくい止めたい、機能訓練などで認知症を改善するための何か良い方法はないか?と思うようになり、最近、そのことを院長に相談しました。
すると院長から、ひめさゆりで機能訓練に使用している、イボイボの凹凸があるボール(手の平サイズ)を使い、手の皮膚に刺激を与える訓練をしてみてはどうか?というアドバイスを頂きました。発生学的に脳と皮膚は同じ外胚葉(がいはいよう)というところから発生しているので、皮膚からの刺激は、ダイレクトに脳に届くということが言われています。なので私も「そうか!なるほど!!」と思い、その刺激を与える訓練を取り入れようと思いました。
そして、早速次の訪問の時、Tさんへ脳に刺激を与える訓練を行いたい旨を伝えると、Tさんも快く承諾してくださったので、その日から認知症改善訓練を開始しました。訓練の種類は3種類で行なっています。そのうちの一つ、ボールを握って開いて、の動きを、私が片手ずつ行う形で提案したのですが、Tさん自ら「両手で一緒にやるほうがいいんじゃないですか?」と積極的に提案してくださり、刺激訓練の取り組みも意欲的に行なってくださっていて、嬉しくなりました(^^)。
まだ始まったばかりなので、3ケ月、6ヶ月、9ヶ月、12ヶ月と、経過観察は必要になりますが、少しでもTさんの脳が活性化して、認知症が改善してくれることを祈り、しばらくこの刺激訓練を継続していきたいと思っています。素晴らしいアドバイスをくださった院長のご協力に感謝します。出来ることに最善を尽くし、これからも患者さんの元気と喜び笑顔のために、慈愛で真心を尽くしていきます!
大切な時間を使い、最後まで読んでくださる皆さん、いつも本当にありがとうございます。