施術部の伊藤です。いつもスタッフブログをお読みいただきありがとうございます。
今回は、先週二人の認知症の患者さんから、思わぬ嬉しい反応が見られたお話です。
私はいつも、患者さんとどんな話をしたらいいかなぁと考えるのですが、話題を考えていた時に、ふと「好きな歌手」という言葉が降りてきました。なので、Kさんに「好きな歌手はいますか?」と質問すると、「いるんだけど思い出せない。」と言いいました。Kさんは「スラッとした、背の高い男の人。誰だっけ?」と、なかなか思い出せずにいるようでした。そのヒントのように言ってくれたことを頼りに、Kさんが思い出せるよう、思い付く昭和の歌手を挙げ協力していたのですが、それでもKさんはなかなか思い出せません。するとKさんは妹さんに聞いてみると言って、電話を掛けはじめ、妹さんに聞いてみると、舟木一夫さんと三田明さんが好きだと言うことを教えてくれました。
施術が終わってから、舟木一夫さんの『高校三年生』と、三田明さんの『美しい十代』をYouTubeで検索して聞いていただくと、懐かしそうに「これ、好きなんだ。いいよねぇ。」と楽しんでくれて、途中から一緒に歌っていました(^^)。
Kさんは次の訪問の際も、前回、舟木一夫さんの『高校三年生』をYouTubeで再生したのが気に入ったようで、施術後、Kさんのほうから「音楽は掛けないの?」と、リクエストがありました(笑)。なので、達ちゃんに頼んで、『高校三年生』を再生してもらうと、「これ、好きなんだよねぇ。」と、また歌を口ずさみながら楽しまれていました(^^)。今までこんなに楽しそうなKさんを見ることがなかったので驚きましたが、「好きな歌手はいますか?」という思いがけない一言で、楽しそうに喜ぶ一面を見せてもらえたことに、感謝が沸きました(^^)。
このことを受けて、今度は別の訪問先のTさんの施術に伺った時にも、Tさんに好きな歌手はいるか伺ってみました。するとTさんは、「女性歌手の高い声は駄目だけど、男性歌手の落ち着いた声はいい、歌手が思い出せない」と言いながら、「『誰か故郷を思わざる』はいいね。」と言って、突然自ら曲を歌ってくださいました。Tさんが自ら進んで歌を歌ってくれたのは初めてでした。予期せぬ事で驚きましたが、Tさんの人生背景や、優しくて穏やかなお人柄が、歌声に乗ってさざ波のように流れてくる雰囲気が漂い、素敵な時間が流れました。
他にも、歌を歌うことが好きなMさんが、以前「花を見る事と歌を歌う事に、怒る人はいないって言うんだよね。」と言っていたことを思い出しました。そして改めて、音楽は心のケアになる、素晴らしいものだなぁと実感しました。
院長も以前記事にしていたことがありますが、毎年恒例の「ひめさゆりクリスマスコンサート2022」が、今年は念願の、ミューカルがくと館大ホールで行われることになりました!今年はより楽しみですo(^-^)o。今年も皆さんに感動の「音楽で心のケアを」をお届けできますように、頼もしいパワーパートナーの皆さんの力をお借りして、スタッフ一丸となって準備して参ります(^^)。
大切な時間を使い、最後まで読んでくださる皆さん、いつも本当にありがとうございます。