施術部の伊藤です。いつもスタッフブログをお読みいただきありがとうございます。
先週と昨日、独居のTさんの元へ訪問した際にあったエピソードです。
先週の訪問予定日にTさんを伺うと、施術曜日を勘違いしていたようでした。Tさんは、「もう耄碌なんだ!」と投げやりになったり、親族の人間関係できつい扱いをされているようで、「もう役に立たなくなったから、そういうふうにされるんだ。」と、何だか気持ちが荒れていました。なので、施術中Tさんのお話を傾聴しながら、心の中で「大丈夫ですよー。Tさんの本質が優しくてあったかいことはちゃんと分かっていますから、大丈夫ですよー。」と、Tさんに寄り添っていました。そうしたら、しばらくすると落ち着きを取り戻し、いつもの気さくなTさんに戻りました。少し笑い声も出たので、安心しました。
そして昨日、Tさんを訪問すると、最初はいつも通りの世間話などをしていましたが、思い出したようにTさんが次のことを言ってきました。それまで色々献身的にお世話をしてくれていたご家族さんが、数か月前からTさんに関することで何か間違った誤解をしてしまったようで、急に態度が変わってしまったらしく、Tさんは「死んだほうがいいと思う。」という表現を使ってしまうぐらい、そのことがかなりショックなご様子でした。
Tさんは、どんな思いで家族を守り養ってきたのか、身を粉にして頑張ってきたこともお話ししてくれました。話をするTさんからは、やり切れない気持ちや寂しさが感じられ、私はTさんと同じ人生経験は体験していませんが、私までやり切れない思いになり、胸が締め付けられるような思いでした。
達ちゃんと一緒にお話を傾聴しながら、Tさんのやり切れない思いが少しでも軽くなってもらえるように、Tさんの頑張りを認めたり、Tさんが「私は役に立たないから居なくなればいいんだ!」と投げやりになっても、「そんなことないですよ。Tさんは居てくれるだけで充分お役に立っていますから。」などと励ましたり、二人でTさんへの寄り添いを続けました。
そうしてお話が終わる頃になると、少し落ち着きを取り戻し、「独りでいると余計なこと考えるから。」と、少し笑顔も戻りました。良かったです。Tさんの元気が戻ってくれてホッとしました。
患者さんの心の痛みや悲しみ、寂しさなどへの寄り添い方には葛藤もありますが、患者さんやご家族さんの心身の苦痛を緩和し、一日でも長く皆さんの健康寿命が延びて、幸せ笑顔が増えていきますように、達ちゃんと力を合わせて、これからも慈愛と真心で、最善を尽くして支援していきます。
大切な時間を使い、最後まで読んでくださる皆さん、いつも本当にありがとうございます。