患者さんのメンタルダウン/その2 | ひめさゆり訪問マッサージ

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  • ブログ2023.07.25

    施術部の伊藤です。いつもスタッフブログをお読みいただきありがとうございます。

    前回の7月21日の記事で、「患者さんのメンタルダウン/その1」という記事を書きましたが、私が現在担当する患者さんの中では最高齢、90代後半のKさんのエピソードです。今回はその第2弾です。

    毎回施術を始める前に、体の状態の確認をするのですが、この日は「今日は目が見えなくて困った。」というお話をしてくださいました。視野が狭くなったのか、かすんで見えにくいのかなど、どんな風に見えづらいのか、色んな角度から聞いてみたのですが、よく分かりませんでした。

    そのお話を傾聴していく中で、Kさんは、「家族に話すと『婆ちゃんはもう歳なんだから』で終わっちゃう。」と言っていました。視力・聴力の低下で、思うように分からないということ、日頃から尿漏れや便秘が辛い、ラクナ梗塞の後遺症や変形性膝関節症で思うように動けないという、やりきれない気持ちを分かって欲しかったようです。

    私は、母(81歳逝去)から生前、「私の歳になったら分かるから。」と時々言われていたので、「Kさんの立場になってみないと分からないですよね。」と声掛けすると、「そうだよね!」と、分かってもらえたと感じてくださったのか、嬉しそうな感じでした。その後、「今日はサッパリした。」と、スッキリしたように言ってくださったので、心が軽くなったのかな?という印象を受けました。

    そして、マッサージ終了の挨拶をする時に、私の肩を肩叩きするように、左右それぞれ叩いてくださいました。Kさんの思いがけない行動に、それだけ嬉しかったのかも知れないなと思いました。この日は、Kさんのやり切れない思いと、その心境の変化を感じたので、娘さんに共有させていただきました。

    すると娘さんから、「母はここのところ体が思うより動かず、日々入院したい!死んでしまいたい!おしっこを止める病院に連れてってもらいたい!などなど訴えて、笑顔が日々少なくなっています。今日は伊藤さんに分かっていただきとっても嬉しかったのだと思います。心寄せていただきありがとうございます。」という返信がありました。

    私たちが施術に入っている時は、Kさんから「死んでしまいたい」という言葉を聞くことがなかったので驚きましたが、娘さんから教えていただいて、Kさんの心情をより深く知ることが出来、有り難かったです。

    そして翌日、娘さんから「昨日はありがとうございました。今日はとっても元気です。感謝です(^^)」と、嬉しいご連絡をいただきました。本当に良かったです!安堵しました。

    患者さんたちの「若い頃は出来ていたのに、今は思うように出来ない、辛い。」という想いは、その年齢にならないと本当には分からないと思います。でも、患者さんやご家族さんの心身の苦痛を緩和出来るよう、長生きできて良かった、ひめさゆり訪問マッサージを利用して良かったと思っていただけるように、これからも一つ一つ即是道場で自己研鑽し、慈愛の追求をしていきます。

    大切な時間を使い、最後まで読んでくださる皆さん、いつも本当にありがとうございます。

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