本日、東京オリンピックの聖火リレーが、福島県を皮切りにスタートしました。ちょうど始まる間際に訪問施術にお伺いしていたのですが、患者さんと一緒に「いよいよ始まりましたね」と話しながら観ていました。
女優の石原さとみさんも話していましたが、新型コロナ感染症の影響で様々なことが起きています。また色々な判断を下すことを迫られている方も沢山いますし、苦渋の決断をしなければならない事態も起きていますし、これからも起きてくるでしょう。どの考えも、どの判断も、どの決断も最善であると思います。なぜならば、今まで起きたことがないような未曾有の事態が起きているからです。誰も経験したことが無い未知の戦いの真っ只中にいる訳ですから、決断も判断も様々分かれると思いますし、どれも当然の結果だと考えます。例えそれが結果的に望まれない方向になってしまったとしても、何人たりともそのことを責める資格はないとも考えます。なぜ?それは、みんなの命を守ろうとする最善の決断だからです。
この聖火リレーには大きな意味があると思うのです。それは、東日本大震災により多くの尊い命が失われ、未だに家族のもとに帰ることができない行方不明の方々がいる現実。そして、原発事故により遠く離れた慣れない地に避難を余儀なくされ、故郷に戻れなくなった沢山の方々が居ること。さらに未だ続く風評被害に苦しむ方々が居るということなど、インフラの復興は進んでいるものの、心の復興や、本当の意味での復興はまだまだ先の話になるように思えてなれません。更に、昨年からの新型コロナ感染症の流行が、復興を遅らせる要因の一つにもなってきています。だからこそ、今回の聖火リレーはそのような現実の渦中にいる私たち県民、国民に対して、大きな価値のあるリレーであって、私たちの心や未来への希望の灯となると期待してやみません。
この聖火リレー、そして東京オリンピックは、困難や逆境を乗り越えるきっかけとなる大変意義深いものになることでしょう。自分たちの力を合わせて、日本人の底力を、大和魂を世界にみてもらえる絶好の機会です。
今日、ある施設で施術をしている時、受けている方から次のような話をきかせていただきました。
「私ね、ほら東京生まれの東京育ちで、チャキチャキの江戸っ子でしょ?こうやってテレビで走っている人のことを見るとね、昔の東京オリンピックのことを思い出すのよ。私の家のすぐ近くをマラソンの選手が走っていったのよ。沿道には本当に沢山の人たちが居て、道の両脇を埋め尽くすほどだったのよね。それに、空の上には飛行機で五輪のマークがくっきりと見えたわよ。あの光景は今も忘れられないわ。」
と、本当に楽しそうに笑顔で話していたのです。その姿を見て何だかとても感動しました。戦争を経験し、東京大空襲も経験し、辺り一面焼け野原から苦労して復興して迎えた初の東京オリンピックです。どれだけ大きな希望となったのだろうかと思うと、想像をはるかに超えるものに違いありません。その方は、新型コロナ感染症の影響で、一年以上家族とも面会できていません。施設の外にも出られない状況が続いていますから、どれほど寂しい思いをしているか分かりません。
「これでマッサージの先生も来なくなったら、私はどうやって生きていっていいか分からないわよ。」
とつぶやく背中が、とても寂し気で、切ない気持ちになりました。でもこの聖火リレーを観てあの時の感動を思い出し、目をキラキラさせている姿を見た時、やっぱり今回の東京オリンピックには大きな価値がある、特別なオリンピックなのだと熱いものがこみ上げてきました。
どうか、121日の聖火リレーで、そして東京オリンピックで、日本中に世界中に希望の光を灯して欲しいと心から願います。聖火ランナーの皆さん、そして選手のみなさん頑張ってください。ひめさゆり訪問マッサージは東京オリンピック2021を心から応援しています。